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当院 院長 船越栄次が本を出版いたしました
2022.06.23
この度、当院院長(船越栄次先生)が2022年5月13日に新刊『なぜ、歯ぐきが健康な人ほどいつまでも長生きできるのか(クロスメディア・パブリッシング、税込 1,600円)』を発売しますのでお知らせいたします。
【内容】
■噛めば噛むほど、脳は元気になる
健康寿命(自立した生活を送れる期間)を延ばすために最終的に行きつくのは、「日々の食事でしっかりと栄養をとり、習慣的に体を動かすこと」です。そしてこの当たり前の健康習慣をずっと続けていくためには、当然ながら「歯」が重要です。
「食べる」ことにも「話す」ことにも、歯の存在は大きく関係しており、実は運動機能にも少なからず関係しています。なにげない日常動作においても、歯は助けになっているのです。
また「噛む」という行為は、脳を直接的に刺激する行為で、近年では医学的にも、認知症予防につながる可能性があるということが明らかになっています。実際に介護施設で行われた調査でも、入れ歯が合っておらずよく噛めない人や、常に入れ歯を外している人は、認知症になるケースが多いという報告があります。
理由としては、食べものを噛んだときには、それが硬いのか柔らかいのかなどの感触を、私たちの脳が瞬時に感知することにあります。加えて、咀嚼するときには、舌や口の周りの筋肉をたくさん動かしますし、匂いや味などの感覚機能も使うため、脳が刺激される範囲がかなり広範囲にわたることがわかっています。つまりしっかり噛めば噛むほど脳にたくさんの刺激が伝わり、それが脳を元気にするのです。
そのように大切な「歯」ですが、支えている「歯ぐき」が健康でなければ、しっかり噛むことができません。また歯を失う一番の原因は、虫歯などではなく、「歯ぐきの病気=歯周病」なのです。
■30歳以上の日本人は8割が歯周病にかかっている
「歯周病」とは、歯ぐきが細菌に感染して炎症を起こす疾患です。進行すると歯ぐきだけではなく、中の骨(歯槽骨)が溶けてしまい、やがて歯を失うのですが、初期段階では目立った症状がなく、痛みなどのつらい症状が出てくるころには、相当進行してしまっています。
歯を失うだけでもとても怖いことですが、歯周病のリスクはそれだけにとどまりません。炎症を起こした歯ぐきから「歯周病菌」が血管に入り込み、そのまま血流に乗って全身へと運ばれるため、到達する場所でさまざまな病気を引き起こしたり悪化させると考えられています。つまり全身に関わってしまうのです。
実はいま、30代以上の大人の実に8割が、軽度のものも含めて、この歯周病にかかっていると言われています。つまり「日本人を悩ます国民病」と言っても過言ではありません。
■新型コロナウイルス感染症や全身疾患にも関係
歯周病と全身疾患との関係については、専門の学問分野で研究が進められており、糖尿病、低体重児出産や早産、誤嚥性肺炎、心疾患・脳血管疾患(脳梗塞・狭心症・心筋梗塞など)、アルツハイマー型認知症、骨粗鬆症などとの関わりも指摘されています。そして最近は、新型コロナウイルス感染症についても、関連を示唆するデータが公表されました。進行した歯周病患者が新型コロナウイルスに感染すると、死亡リスクが8.81倍に高まるという調査結果が出たのです。(2021年2月の欧州の学会で発表)
このように歯周病は恐ろしい病気ですが、著者はこの本の中で、「歯周病は予防もできれば、治療も可能な病気だ」と断言しています。そして本には、予防のためのセルフケア方法や歯ブラシ・歯磨き粉の選び方、初期症状を見抜く6つの兆候、そして進行してしまった場合の対処法や信頼できる歯科医師の見分け方がしっかり書かれています。
100年という長い人生をいつまでも健康に豊かに過ごす方法を、この本から学んでみてはいかがでしょうか。
書籍『なぜ、歯ぐきが健康な人ほどいつまでも長生きできるのか』