歯周病治療
Perio- 船越歯科医院 ホーム
- 歯周病治療
歯周病について
歯周病とは、歯を支える歯肉や骨などが歯周病菌に感染することで炎症を起こし、破壊されていく病気です。
歯周病による炎症は、最初は歯肉だけにとどまっていますが、やがて歯を支える骨にまで及ぶようになり、骨の破壊が進むと歯は抜け落ちてしまいます。歯を失う原因になるにもかかわらず、自覚症状のないまま進行しやすいので早期発見と早期治療が重要です。
当院の院長、船越栄次は、アメリカで先進の歯周病を学び、帰国後も診療のかたわら日本の歯科医師に世界水準の歯周病治療を指導してきた歯科医師です。歯がぐらつくような重度の歯周病でも、歯を残す技術があります。なかなか歯周病が改善できないという方も、一度当院にご相談ください。
歯周病が全身に及ぼす影響
歯周病菌が産出する毒素や炎症性物質が歯肉の毛細血管から全身をめぐることで、さまざまな病気の原因となることが明らかとなっています。血管内に入り込んだ炎症性物質は、糖尿病を悪化させるほか、早産・低体重児出産、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こすリスクがあるのです。また、歯周病菌が誤嚥によって肺に入り込むと、肺炎が引き起こされる場合もあります。
全身の健康のためにも歯周病はできるだけ早く治療し、予防していくことが大切です。
当院の歯周病治療の特徴
日本歯周病学会指導医・歯周病専門医による治療
当院には、日本歯周病学会指導医・歯周病専門医の資格をもつ院長・副院長をはじめ、歯周病に精通した歯科医師が多数在籍しています。とくに院長は、アメリカで先進の歯周病について研鑽を積んだ経験があり、世界水準の歯周病治療が可能です。
歯周病は症状が進行すると外科処置が必要になることも多く、歯科医師には経験と技術力が求められます。外科処置というと不安に感じる方もいらっしゃるかと思いますが、当院の歯科医師は外科的な歯周病治療にも精通しているので、重度の歯周病でもどうぞ安心して治療をお任せください。
日本歯周病学会認定研修施設として認められた認定医院
当院は、「日本歯周病学会認定研修施設」としての認定を受けており、適切な歯周病治療を提供できる歯科医師の育成にも力を入れています。この認定を受けるには、設備や研修の実施などに関する厳しい基準をクリアすることが必要です。当院で研修を受けると、 日本歯周病学会歯周病専門医または日本臨床歯周病学会認定歯科衛生士・指導歯科衛生士の資格に必要な単位を取得できます。
補綴、修復処置や審美性も考慮したトータルな歯周病治療
被せ物やブリッジなどの補綴治療が必要な場合は、それを考慮したうえで歯周病治療を行ない、土台となる歯と歯肉の健康を取り戻します。補綴物と歯との間にすき間や段差があると歯周病菌が繁殖しやすいので、精密に補綴治療を行なうことも大切です。また、歯周病によって歯肉が退縮したり変形したりしている場合は歯肉の形態を整え、健康的で自然な見た目に仕上げます。
船越歯周病学研修会の実施
「多くの患者さまがより良い歯周病治療を受けられるようにしたい」という想いから、開業医向けに船越歯周病学研修会を実施しています。臨床と直結した講義や実習を通し、「健康で(HEALTH)、よく機能し(FUNCTION)、快適に生活できる(COMFORT)歯列と歯周組織を確立する」という理念に基づく歯周病治療を日本に広めることが、この研修会の目的です。
歯周病の検査方法
-
プロービング検査
歯と歯肉のすき間にできる歯周ポケットの深さを測り、歯周病の進行度を調べる検査です。目盛のついた細い器具を歯周ポケットに差し込み、歯周ポケットの深さと検査時の出血の有無を調べます。
-
歯の動揺度検査
歯がぐらつく度合いを確認し、歯周病の進行度を調べる検査です。歯を器具で挟んで揺らし、「ほとんどぐらつかない」「歯が前後にぐらつく」「前後・左右にぐらつく」「前後・左右・上下ともにぐらつく」の4段階のどれに該当するかを調べます。
-
レントゲン検査
歯周病によって歯を支える骨がどのくらい破壊されているかを調べる検査です。骨への歯周病の進行度は直接目で確認することができませんが、レントゲン撮影を行なうことで歯周病の進行度や炎症が拡がっている範囲を詳しく確認できます。
歯周病の初期治療
-
ブラッシング指導
ごく初期の歯周病なら適切なブラッシングだけでも症状の改善が可能です。磨き残しができやすい部分をチェックしたうえで、一人ひとりに適した磨き方をお伝えします。
-
スケーリング・ルートプレーニング
歯ブラシでは取り除けない歯垢や歯周ポケット内の歯石などを専用の器具を使ってきれいに取り除きます。この処置行なうことで炎症が改善し、歯垢を溜まりにくくすることが可能です。
-
禁煙指導
喫煙によって口内からタバコの有害物質を吸収すると、歯肉の血行が阻害され、歯周病菌が繁殖しやすい状態になります。このような喫煙による悪影響を説明し、禁煙できるようにアドバイスをするのが禁煙指導です。
歯周病治療の流れ
-
01
治療計画
プロービング検査、歯の動揺度検査、レントゲン検査を行なって歯周病の進行度を診断し、治療計画を立てます。治療計画は患者さまに丁寧にご説明し、ご納得いただいたうえで治療を開始することが大切です。
-
02
初期治療
初期治療では、歯周病の原因である歯垢や歯石を徹底的に取り除くことで歯周病の改善を図ります。適切に歯垢を取り除けるようにブラッシングの指導を行ない、スケーリングやルートプレーニングでブラッシングでは除去できない歯石や感染組織を取り除きます。
-
03
再評価
歯周病の検査を再度行ない、症状の改善度を評価します。十分に改善されていると評価できればメンテナンスへ移行し、歯周病治療は完了です。症状が改善していない場合には、歯周外科治療を行ないます。
-
04
歯周外科治療(※必要な場合のみ)
歯肉を切開して歯周ポケットの奥深くに付着した歯石や感染組織を取り除きます。歯を支える骨や歯肉の状態によっては歯周組織再生療法や外科的歯周形成治療も必要です。
-
05
メンテナンス
治療によって症状が完了したらメンテナンスに移行します。歯周病は再発しやすい病気ですが、適切なブラッシングと定期的なメンテナンスを継続することで再発を防ぐことが可能です。
歯周外科治療
歯を支える骨にまで進行した歯周病に対し、歯周病の原因除去と歯周病の再発防止を目的として外科的な処置を行なう治療です。歯周ポケットが深く、スケーリングやルートプレーニングを行なっても症状が改善できないケースや、歯肉や骨の破壊が著しくブラッシングがしにくいケースなどに対して行ないます。
歯周外科治療には、歯肉を切開して歯石を取り除く処置や歯肉を移植する処置などさまざまな方法がありますが、どの方法が適しているかは歯を支える骨の状態や歯周ポケットの深さ、プラークコントロールの状態などから総合的に診断します。
歯周外科治療の種類
フラップ手術(保険適用)
歯周ポケットが深く、スケーリングやルートプレーニングなどの初期治療を行なっても症状が改善しない場合に行なう保険適用の外科処置です。歯肉を切開して歯根面から剥離し、歯周ポケットの奥深くに溜まった歯垢や歯石、感染した組織をきれいに取り除きます。フラップ手術を行なうことで歯周ポケットを改善し、歯垢が再び溜まりにくい環境を作ることが可能です。
歯周組織再生療法(自由診療)
歯周病の進行によって歯を支える骨まで大きく破壊されてしまったケースに対し、失われた歯肉や骨を再生させる自由診療の治療です。ぐらついた歯を残したい場合や少しでも歯周病を改善して歯を長く機能できるようにしたい方に適しています。歯周組織再生療法医にはさまざまな方法がありますが、当院では、薬剤を患部に塗布することで歯周組織の再生を促す方法を採用しています。
歯周形成手術
歯肉弁根尖側移動術(APF)
歯周ポケットを除去するために行なう外科処置です。歯の周囲の歯肉を、歯を支える骨に付着した部分も含めて剥離し、歯根の先端部分に移動して縫合することで歯肉の幅を保ったまま歯周ポケットを除去します。ただし、歯根が露出することになるため、歯周ポケットが浅く、骨が垂直的に破壊されていないケースが対象です。
遊離歯肉移植術(FGG)
付着歯肉が少ない部分に対し、口蓋部分から採取した歯肉を移植することで付着歯肉を増やす外科処置です。付着歯肉は、歯を支える骨に付着して動かない部分のことをいいます。この付着歯肉が少ない場合、ブラッシングによるプラークコントロールが難しく、歯周病を進行させる原因になってしまうのです。遊離歯肉移植術(FGG)で付着歯肉を増やすと、ブラッシングがしやすくなるうえに、見た目も改善できます。
結合組織移植術(CTG)
歯周病の進行によって著しく歯肉が退縮し、歯根が露出したケースや周りの歯との見た目のバランスが悪くなったケースに対して行なう外科処置です。口蓋部分から歯肉を採取し、足りない部分に移植することで見た目と歯の清掃性を改善します。遊離歯肉移植術(FGG)では上皮性組織と結合性組織の2層を採取して移植するのに対し、結合組織移植術(CTG)では内側の結合組織のみを移植するため、より審美性を高めることが可能です。
歯周組織再生療法について
歯がぐらつくほど骨が破壊されているケースに対し、エムドゲインゲルという薬剤を用いて歯周組織の再生を促し、歯が抜け落ちるのを防ぎます。当院では、1998年にエムドゲインゲルによる歯周組織再生療法を開始し、これまで幅広い症例に対応してきた経験があり、その効果と安全性に自信があります。どうぞ安心してご相談ください。
エムドゲインゲル(ブタ歯胚組織使用歯周組織再生用材料) 医療機器承認番号:21300BZG00049000
歯周病治療の症例
初期治療 (歯周基本治療)
初診時
初期治療終了時
年齢 | 36歳 |
---|---|
性別 | 男性 |
治療期間 | 2ヶ月 |
---|---|
費用 | 保険診療 |
治療内容の詳細 | ・ブラッシング指導 ・スケーリング・ルートプレーニング のみを実施 |
||
---|---|---|---|
治療におけるリスク・副作用 | 歯ぐきが引き締まるため、知覚過敏、歯が伸びた、歯と歯の間に隙間ができたように感じる。 |
結合組織移植術
術前
術後9年経過時
年齢 | 24歳 |
---|---|
性別 | 女性 |
治療回数・期間 | 1回 |
---|---|
費用 | 150,000円 |
治療内容の詳細 | 結合組織移植術(エムドゲイン塗布) | ||
---|---|---|---|
治療におけるリスク・副作用 | 歯周外科治療後、稀に術後疼痛の症状が発現することがあります。 なお、エムドゲインの副作用は現時点では報告がございません。 |
術中 歯肉剥離時
術中 エムドゲイン塗布時
術中 口蓋より採取した結合組織を移植
術直後
長期症例
初診時
22年後
40年後(現在の口腔内)
初診時
22年後
40年後(現在の口腔内
初診時
22年後
40年後(現在の口腔内)
年齢 | 30歳 |
---|---|
性別 | 女性 |
治療(メインテナンス)期間 | 40年以上 初診日:1981年8月3日 |
---|---|
費用 | - |
治療内容の詳細 | 全顎的に歯周病治療や補綴治療、外科治療など | ||
---|---|---|---|
治療におけるリスク・副作用 | 歯周外科治療後、稀に術後疼痛や歯肉退縮の症状が発現することがあります。歯肉が退縮すると、審美障害あるいは知覚過敏が発現することがあります。 歯周組織が完全に元通りになるとは限りません。 |
歯周病治療/歯周組織再生治療/歯周外科治療にともなう一般的なリスク・副作用
- ・内容によっては自費(保険適用外)となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
- ・歯周病の基本治療で改善しない場合に行なう歯周外科治療や歯周組織再生療法では、歯肉を切開するため、腫れや痛みをともなうことがあります。
- ・破壊された歯周組織は元に戻せないので、治療後歯肉が下がることがあります。
- ・治療によって歯肉が引き締まってくるため、被せ物と歯肉の段差が目立つことがあります。
「日本歯周病学会指導医」について
- 「特定非営利活動法人 日本歯周病学会」は、歯周病学の臨床的経験を通しその専門的知識と技術を有し、歯周病学の発展および向上を図り、国民の口腔保健の増進に貢献する歯科医師に対して、「指導医」の資格を与えています。
- ○「日本歯周病学会指導医」資格取得の条件
- ・専門医登録後、7年以上の学会歴および歯周治療の経験を有している。
- ・専門医登録後、認定医・専門医教育講演に5回以上出席している。
- ・専門医登録後、同学会学術大会または同学会認定医・専門医教育講演または本学会臨床研修会において2回以上筆頭発表者として症例発表している。
- など
- ○「日本歯周病学会指導医」資格保持の条件
- ・5年ごとに更新を行なう。
- ・施行細則に定める所定の生涯研修単位を満たす。
- 詳しくは、「特定非営利活動法人 日本歯周病学会認定指導医 制度規則」をご覧ください。
「日本歯周病学会歯周病専門医」について
- 「特定非営利活動法人 日本歯周病学会」は、歯周病学の臨床的経験を通しその専門的知識と技術を有し、歯周病学の発展および向上を図り、国民の口腔保健の増進に貢献する歯科医師に対して、「歯周病専門医」の資格を与えています。
- ○「日本歯周病学会歯周病専門医」資格取得の条件
- ・専門医の申請時に、認定医または関連学会認定医に登録後通算2年以上同学会会員である。
- ・認定医または関連学会認定医に登録後、同学会の認めた研修施設に通算2年以上所属し、歯周病学に関する研修と臨床経験を有する。
- ・同学会学術大会における認定医・専門医教育講演を2回以上受講している。
- など
- ○「日本歯周病学会歯周病専門医」資格保持の条件
- ・専門医の申請時に、認定医または関連学会認定医に登録後通算2年以上同学会会員である。
- ・施行細則に定める所定の単位を修得する。
- など
- 詳しくは、「特定非営利活動法人 日本歯周病学会専門医 制度規則」をご覧ください。
スケーリング・ルートプレーニングにともなう一般的なリスク・副作用
- ・基本的には保険での診療となりますが、治療内容によっては自費(保険適用外)となることもあり、保険診療よりも高額になります。
- ・ルートプレーニングは、歯肉の中に器具を入れるため通常の歯石除去よりも痛みを感じることがあります。
- ・歯のすき間に付着していた歯石が除去されることで、歯のすき間が目立つことがあります。
- ・処置後、歯肉から出血することがありますが、時間の経過とともに治癒します。
- ・処置後1~2日、何もしなくても痛みが出ることがあります。また噛んだときや歯を磨くときも痛みが出ることがありますが、時間の経過とともに治癒します。
- ・処置後、しばらく知覚過敏の症状が出ることがありますが、時間の経過とともに治癒します。
- ・処置後、歯肉の退縮を引き起こすことがあります。
エムドゲインゲル(ブタ歯胚組織使用歯周組織再生用材料)を用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用
- ・薬機法(医薬品医療機器等法)において承認された医薬品であり、中等度または重度の歯周炎の歯周外科手術の際に、露出された歯根面上に補助的に局所適用します。
- ・自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- ・歯や骨の状態や位置によっては、手術できないことがあります。
- ・外科手術が必要なため、腫れや痛みをともなうことがあります。
- ・外科手術が必要なため出血、神経麻痺、血管損傷、術後の腫れやあざを発症する可能性があります。
- ・歯肉が引き締まってくるため、被せ物と歯肉との段差が目立つことがあります。
- ・糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞などが進んでいる方、がんによる放射線治療を受けている方、ステロイド剤を使った治療を受けている方、妊婦や授乳中の方などの安全性は確立していません。
- ・喫煙される方の場合、血行が悪くなるため、治癒の遅れや治療効果の低下を招くことがあります。
- ・糖尿病の方や喫煙される方でエムドゲインによる治療をご希望の方は、歯科医師とご相談いただき、状況によっては治療できない場合があります。